特に40代以上の男性の皆さん、どう「おじさん」を生きていますか?
僕もおじさんの一人として、青春時代をユーミンの音楽とともに生き、そのユーミンの音楽をともに作られてきた松任谷正隆さんが、どうおじさんを生きているのか、とても興味深く手に取った次第です。
ユーミンの音楽には高校生の時に出会い、そこからハマってしばらく信者と化していました。
ライブがあれば、当時は徹夜で並んでチケットを買い、オールナイトニッポンやサウンドアドベンチャーなどのラジオも、録音してまで聞いていました。
ユーミンの「曲」は誰にも真似できない。
そして、特に時代とマッチして大波に乗っていた90年代前半までは、その曲、歌い方や声、ファッション、ユーミンのあらゆることが唯一無二のブランドと化していました。
しかし時を経てよくよく考えると、そのユーミンが大衆に多大な影響を及ぼすまでになったのは、夫である松任谷正隆氏の才能と実行力無くしては決して語れないと思います。
ユーミンがディズニーランドのミッキーマウスだとしたら、正隆さんはまさにウォルト・ディズニーであり、ディズニーランドそのものを設計してきた人なのだと思います。
もちろん、単なる例えであり、ユーミンはマスコットではありません。ユーミンの才能は言わずもがなです。
ただ、ユーミンの音楽を時代の半歩先に行かせたアレンジ、最新技術を使ったライブなど、まさに正隆さんが作り上げてきたことだと思います。
そして、ユーミンもまた、自分の成功が自分の才能のおかげというよりは、正隆さんのおかげであることを強く認識している、というのは何かの番組で見た気がします。
「自分を見つけてくれて、引き上げてくれた」というようなことをおっしゃっていました。
お互いの持つ才能の科学反応が、見事に時代とリンクして圧倒的な輝きを放ち、人々の人生に音楽によって彩りを与えてこられた、稀有なご夫婦です。
そんな正隆さんの書いた「おじさんはどう生きるか」
本の中では「○○のマナー」という題であらゆる観点からのエッセイが書かれてあり、正隆さんが普段仕事以外に、どのような事を考えているのかを垣間見られます。
ユーミンの事も頻繁に出て来ますが、そのちょっとした夫婦のやり取りやケンカの事などは、確かに庶民のそれともまた違うような気もしながら、割と親近感を覚えたのは新鮮でした。
そして、本の内容にクスっと笑える部分も多く、ユーミンも話が面白いですが、正隆さんもだいぶユーモアのある方です。
音楽におけるカリスマ性の裏側では、面白いご夫婦なのですね。
夫婦間のコミュニケーション量は、ビジネス部分も含めて、普通の夫婦よりもはるかに多いのでは無いかと思います。
それだけに、普通の夫婦ならどちらかが我慢する事も、時にぶつかる事もあり、とことんコミュニケーションで解決していくような関係性が伺えました。
アルバム「深海の街」では、ユーミンの声もなかなか厳しくなってきた感はあるのですが、音のプロである夫妻、特に音の追及をしてきた正隆さんが、その「ユーミンの声」についてはどう思っているのか、あまりオフィシャルに言及されていないように思います。
ただニューアルバムの制作過程のドキュメンタリーでは「この歳にしてまた成長したね」というような言葉をユーミンに語り掛けていたことが印象的でした。
時とともに、一見「劣化」しているように見える声も、何か、それはそれで味わいのある楽器というか、熟成に熟成を重ねたワインのように、その声の深みのようなものを感じ取っておられるのかなと想像しました。
そうして何気ないやり取りの中に、ユーミンとどう生きてきたか、これからどう生きていくのかが垣間見られた気がしました。
「普通のおじさん」は、家族だったり、仕事の責任だったり、抱えるものが重く、一方で、さまざまな「機能低下」が顕著に現れてきます。
気分が落ち込んだり、気力が薄くなったり、逆にイライラしやすくなったり。
コロナやすぐ近くで起きている戦争によって、ますます、人々の気持ちが暗くなりやすい環境になっています。
こうしたハードな日々を、どう生き抜いていくか。
そんな視点からも、直接的にではないかもしれないにせよ、きっと何らかのヒントを与えてくれる1冊になっていると思います。
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