償却資産は固定資産の一つです。
固定資産税と言うと、土地や建物に対してかかるもの、と思われがちですが、同様に、償却資産にもかかります。
ここでは、償却資産とは何か?どのように申告するのか?など、出来るだけ分かりやすく記述したいと思います。
ちなみに、償却資産の申告を行うのは、資産を事業に用いて経費として計上している個人事業主や法人であり、サラリーマンや公務員などは対象になりません。
固定資産税(償却資産)とは?
償却資産をざっくり記述すれば、
①土地や建物以外で、事業に用いる資産
②1年以上使用するもの
③金額基準は10万円以上が基本。ただし、20万円未満である3年一括償却した資産やリース資産は除外OK。
④30万未満の場合で「中小企業特例」を用いなかった、一定金額まで全額損金処理した、減価償却を行わなかった資産についても償却資産。
・・・よって、上記をまとめますと、中小企業にとっては、「土地や建物関連以外で、20万以上かかった、1年以上使うもの」と理解するのがひとまず分かりやすいかと思います。(10万~20万未満のものは3年償却してくださいね!)
償却資産とならないもの
逆に、償却資産とならないものは下記の通りです。
※分かりやすく表記している為、詳細部分は顧問税理士、自治体ホームページ、管轄税務署へご確認ください。
・自動車関連(自動車税、軽自動車税の課税対象となるべきもの(実際に自動車税(種別割)等が課されている必要はありません。))
・無形固定資産(例:アプリケーションソフトウェア、特許権、実用新案権等)
・繰延資産(例:創立費、開業費、開発費等)
・耐用年数1年未満又は取得価額10万円未満の償却資産について、税務会計上固定資産として計上しないもの(一時に損金算入しているもの又は必要経費としているもの)
・取得価額20万円未満の償却資産を、税務会計上3年間で一括償却しているもの
・リース資産で取得価額が20万円未満のもの(詳細は別途ご確認ください)
以上を参考にしながら、もし事業に用いている償却資産があれば、「資産が所在している市町村」に申告をしなければなりません。
償却資産に関する実務
顧問税理士に全部お任せ、という訳ではない企業の経理担当向けですが、まずは、上記の「償却資産がどのようなものか」を把握する必要があります。
その上で、減価償却台帳を見ながら、そして、購入する10万円以上の高額なものについて、常に「償却資産に該当しないかどうか」を留意しておかなければなりません。
一方で、「社有車は償却資産ではないが、フォークリフトは償却資産である」という「一見分かりづらいもの」もあり得ます。
よって、高額なものを購入した際には、都度顧問税理士や税務署に、償却資産に該当するかどうか、慣れないうちは確認を行った方が良いですね。
12月中にはある程度、償却資産リストを確定させるようにしましょう。
いつまでに償却資産の申告を行うのか
固定資産税は、1月1日現在の土地、家屋及び償却資産の所有者に対し、固定資産の所在する市町村が課税する税金で、償却資産については1月末までに、資産が所在する市町村に申告する必要があります。
el-taxから申告できますが、顧問税理士がいる会社については顧問税理士を積極的に頼りましょう。
まとめ・感想
すべての企業の状況が分からないので何とも言えませんが、しかし、この償却資産の申告は全企業がきちんと行っているのかが、はなはだ疑問です。
特に中小企業で伝票も手書きレベルの会社などは、「償却資産なんか聞いたことない」という
レベルの会社も多いのではと予想しています。
何故かと言うと、自己申告制であり、また金額によっても、例えば同じ15万であっても申告するケース、申告しなくても良いケースがあったりして、当局側でも機械的な捕捉が難しいのではと感じるからです。
それに一度申告すると、資産を破棄、処分するまで、ずっと申告が続きます。
まじめな企業がバカを見ることが無いように、例えば、金額基準を50万、例外無しにして、50万以上のものを購入した時には自動的に税務署に情報が連携して、自動的に税額が計算されるような仕組みになっていって欲しいものです。
まぁ、この償却資産という仕組み自体が無くなるのが一番ではありますが(笑)
参照:https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/shisan/shokyak_sis.html
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