はじめに
【速報】電子取引データ保存義務、2年猶予という記事が日経新聞で出ました!!
まだ詳細情報が不明であるため、以下はまだ、予定通り施行される前提で記載していますが、また情報が分かり次第更新します。
2022年1月から「義務化」されるという電子取引関連対応、特に中小企業はきちんと対応できるのでしょうか。
まだあまり大々的な報道もなされず、「そんなの知らない」という所も多いかもしれません。
また、知った所で、「特別なシステムもないし、どう対応して良いかわからない」という担当者の方も多いかもしれません。
そこで、「こうやって対応する方法もあるよ」という点を書いていきたいと思いますので、何らかの参考になれば幸いです。
そして、また新たに有用な方法が見つかり次第、更新もしていきます。
電子取引データ保存義務化における中小企業の対応方法(基本編)
「電子取引」とは何かを簡単に触れれば、
- メールに添付して取引先とやり取りする、注文書、納品書、請求書、領収書等
- ペーパレスFAXで取引先とやり取りする、注文書、納品書、請求書、領収書等
- 取引先のホームページからダウンロードする、注文書、納品書、請求書、領収書等
他にもありますが、概ね上記のケースがほとんどかと思います。
詳細は、国税庁の一問一答をご覧ください。
そして、この中で「電子帳簿保存法に対応しているシステム等を持たない会社のデータ保存方法」として紹介されているのが、2点あり、まずは
ファイル名を「日付-取引先-金額」に変更する
というものです。
メールに添付して送った納品書ファイルを、わざわざ「日付-取引先-金額」に変更し、それを、例えば取引先名フォルダや月フォルダに分類して規則的に保管していく、ということですね。
2021年10月1日に、株式会社ABCさんに10,000円の納品書をメールに添付した場合、そのファイル名を「20211001_株式会社ABC_10000」にした上で規則的にフォルダに保管します。
そしてもう1点は、
電子取引リストを作成し、いつでも閲覧できる状態にする
というものです。電子取引を行った際に、わざわざエクセルリストに「日付」「取引先」「金額」の項目を作って、記入していき、例えばハイパーリンクをつけたり、リストの連番に合わせてファイル名を合わせる(リスト上、5番のファイルに対し、ファイル名を「5」にするなど)して対応してください、というものです。
電子取引データ保存義務化における中小企業の対応方法(独自編)
上記、「保存方法」について、データ量が少なければそれでも対応できますが、ある程度の売り上げ規模がある会社だと、その保存作業だけでとても多くの時間を取られてしまいます。
そこで現時点における独自の対応案をご紹介します。
・リストは会計ソフトからダウンロードする。
会計ソフトを利用し、そこからある程度いろいろとデータがダウンロードできるようでしたら、見積書や請求書、納品書についてのデータをダウンロードします。
大抵は、その中に日付、取引先名、金額が書かれてあるはずですので、それを「リスト代わり」に出来るのではないでしょうか。
・電子取引専用のメールアドレスを作成し、都度BCCで送る。
リストを作成できても、全部が全部電子取引でないと思いますので、それを区別するため、電子取引専用のメールアドレスを作成し、都度BCCで送る(「宛先」や「CC」だと、電子取引ではない相手からの返信も受信する可能性があるため、BCC)という方法もあります。
それで区別を行って、メールをしたもの(電子取引に該当するもの)にはリストにチェックを入れるなどすれば良いかと思います。
「いや、いちいちBCCに入れるのも、手間だよ」
という場合、outlookなら「クイック操作」を設定でき、これを設定すれば、クリック一つで、BCCに電子取引アドレスが入った状態でメールが作成できますのでオススメです。
クイック操作の設定操作について、ひとつ、リンクをご紹介しておきます。→こちら。
最後に
この電子取引の保存義務化は、いったい誰のための、何のための制度なのでしょうか。
コロナによってテレワークが普及し、紙ベースだと出社の必要があって「非効率」なので、ペーパーレス化を進めようといった動きの一環なのではないかと思います。
しかし、電子保存を認める代わりに、面倒なファイル名変更や、リスト化作業によって、「新たな非効率」が産まれている状況を、国は本当に想像できていないのか?と思います。
データ保存がここまで面倒なプロセスなのは、「データだと改ざんのおそれがある」ということですが、本当に改ざんの意思がある人は、改ざんした後にタイムスタンプを押したり、改ざんした後に、それを正式なものとするべく、「日付-取引先-金額」にファイル名を変更すれば良いので「面倒な保存プロセスが全く意味がない」ばかりか、「逆に生産性が落ちる」と感じます。
・・・と言いますか、弊社ではすでに1月からの本番に備えて上記の方法を駆使したテスト運用を行っていますが、1日に数十以上の電子取引が発生していますので、事実として、この「データ保管作業」にものすごく時間を取られています。
コロナで売上が落ち、どうやって売上を立て直していくか、全力で本業に向かうべきときに、こうした非効率極まりない施策に対して、1現場としては憤りしかありません。
この辺りは別記事にもしていますので、よろしければご覧ください。
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