毎年恒例となったスギ花粉の季節が今年もやってきた。
スギやヒノキは国策として戦後より大量に植えられてきており、本当なら適切に伐採をして管理してくれたらよかったのだが、国産の木材が高くついて伐採が進まず、実質放置されている森林が多い。
国としても花粉症に対する問題意識はあると思うが、現在の状況として予算がどれくらいついて、どのようなことがなされているのか、また公害として訴訟するとどうなるか調べてみた。
令和4年度の花粉症関連予算「花粉発⽣源対策推進事業」
花粉症関連対策を主に行う省庁は「林野庁」。
気になる、花粉症関連予算として「花粉発生源対策推進事業」が挙げられていたが、その概算要求額は・・・
令和4年度 1.76億円!?
これだけ花粉症に悩まされている数千万人への対応予算としては少なすぎませんか!?
林野庁 令和4年度概算要求 「花粉発⽣源対策推進事業」より
https://www.rinya.maff.go.jp/j/rinsei/yosankesan/attach/pdf/R4gaisan-15.pdf
<予算1.76億円の内訳(上記リンクより引用)>
・花粉発⽣源対策に係る調査及び技術開発の成果の普及等を⽀援 900万円
・花粉の少ない森林への転換促進 9,400万円
・花粉⾶散防⽌剤早期実⽤化促進 6,000万円
・スギ・ヒノキ雄花の着花量調査の推進 1,300万円
令和5年度の花粉症関連予算「花粉発⽣源対策推進事業」
続いて、令和5年度の予算を調べてみました。
林野庁 令和5年度概算要求 「花粉発⽣源対策推進事業」より
https://www.rinya.maff.go.jp/j/rinsei/yosankesan/attach/pdf/5gaisan-11.pdf
衝撃的なことに、令和5年度の予算は1.61億円、前年よりも減っていることがわかりました。
こんなんではいつまで経っても花粉症は無くならないわよね・・・
いつになったら花粉症は無くなるのだろう?
予算を使って伐採を行っても、スギやヒノキの木の数に対する伐採量が圧倒的に少なく、このままのペースだと100年経っても植え替えが終わらない計算になるというのだ。
◎花粉症対策苗木の供給量
平成17年 9万本
平成26年 258万本
令和元年 1,212万本
50億本とも90億本ともいわれるスギの木の数にくらべ、これも圧倒的に少ない。
少なすぎる。
花粉症を「公害」として国家賠償は可能なのか
はっきり言って花粉症は「公害」レベルであると思う。
医療費の増大が叫ばれているが、花粉症の為に浪費される社会保険料も相当額になるだろう。
本来なら、この病院代が個人負担なのはとても違和感があるので、例えば公害として、国を相手取って裁判を起こしたらどうなるだろうと調べた。
結果、
- スギを植栽した当初は花粉症を想定していなかった(国としても故意じゃない)
- 一応、予算がついて、対策もしている
- 公害と認める前例ができると、その他数千万人ともいわれる患者にも賠償しないといけないので現実的ではない。
・・・など、損害賠償をガッポリもらうことは難しそうだ・・・。
でもお金持ちの花粉症の人には、問題提起の上でも試してみて欲しい。
さいごに
これから政治家になろうとする人は、「花粉症対策予算を増やし、早期に終結させる」ことを公約に掲げればいいと思う。
公約がたとえこれ1個だけであっても、中心的な役割を担って達成できたら、歴史に残るほどの成果を挙げたと言ってもいいと思う。
せっかく、厳しい冬を超え、春のあたたかな日ざしを感じたり、草木の芽吹きを見たり、気持ちが明るくなるはずの季節が、毎年、花粉症の恐怖に「無駄に」さらされている現状は明らかにおかしい。
なるべく早期に、ひとまず発症者の多いスギ、ヒノキ花粉症という「無駄な病気」を撲滅するべきだ。
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